自然の中に生きる我々人類は、どれほど手を尽くしても自然の力には逆らうことができません。自然災害が起こったとき、そのことを思い知らされます。
自然災害には「台風・地震・津波」など様々な種類がありますが、その中でも予測しにくいのは”地震”です。大地震が起こりパニック状態に陥ると、何をどうすればいいのか判断できなくなってしまいます。
もし運転中に大地震が起こった時はそのまま車で避難するべきなのか、それとも車をその場に放置して避難するべきなのか、わかりにくいですよね。
対処法としては、車を放置して避難するのが正しいのですが、避難する際に絶対にやってはいけないことがあります。それは、
『エンジンキーを抜く』
これは絶対にやってはいけないことです。
そこで今回は、
- 運転中に地震が起きた時の対処法
- キーを抜いてはいけないその理由
この二点についてお話します。
地震発生、まずはじめに
運転中、地震が発生したことに気づいた場合はどのような措置をとればいいのか?
初めにとるべき措置は、急ブレーキや急ハンドルを避けて安全な場所に止めることです。
安全な場所に車を止めたら、カーラジオを聴き地震や交通に関する情報収集をします。情報を入手できたら、周囲の状況に応じて取るべき行動をとります。
運転を続ける場合
周囲の道路に大きな損壊が確認できずそのまま運転を継続できそうな場合は、”道路の損壊や信号機が作動していない可能性”があることを踏まえた上で細心の注意を払いながら運転します。
大きな地震(災害)が起こると、焦りや緊張から運転時の判断能力が低下し事故を起こす可能性が高くなるので、車を置いて避難する事も考えておく必要があります。
正しく放置、通路の確保
道路や心身時の状態を考慮して『これ以上は運転できない』と判断した場合の対処方法についてお話します。
駐車措置
やむを得ず車を放置して避難する場合は、できるだけ道路の外側なお且つ安全な場所に止めます。それが難しい場合は、道路上に止める事もできますが注意点があります。
- できるだけ道路の左側に寄せて止める
- エンジンを止めてキーは付けたままにする
この二点は必ず守る必要があります。
盗難と命、大切なのは?
道路の左側に寄せるのは理解できるが、
「キーを付けたままなんて信じられない」
と思っている人は少なくないでしょう。
エンジンキーを挿したまま車を放置するなんて、「どうぞ盗んでください」と言わんばかりの行為ですよね。確かにその通りです。
しかし、『避難する事』よりも『車が盗難される心配』をするその行為は、”私の車は人の命より大切だ”と言っているようなものです。
私も車が大好きなので、車を大切に思う気持ちはとてもよくわかります。
ですが、エンジンキーを放置する本来の目的を知れば、エンジンキーを放置することに理解を示していただけるでしょう。
キーを放置して助かる命がある
エンジンキーを放置する本来の目的は、
”人命救助を円滑に行う為”です。
やむを得ず駐車したあなたの車が、人命救助や支援物資を積んだ車の走行する通路を妨る可能性があります。
そのような状況に陥った時、あなたの車を押しのけて通行するわけにはいきません。一刻を争っているのは確かですが、車を傷つけることは許されません。
そんな時にエンジンキーがあれば車を別の場所に移動させることは安易な事です。
人命を第一に
エンジンキーを放置するなんて、不安で不安で仕方がありません。
しかし、あなたが勇気を振り絞って”放置した一本の鍵”が人命救助の鍵となることを忘れないで下さい。